Apple Watchは発売当初の報道の過熱ぶりと一部のappleフリークによって凄い盛り上がりを見せたため2016年半ばごろから下火であるとか、Apple Watchは使い物にならずこのまま駄目なんじゃないかというような憶測が飛び交っておりましたが。
2016年の出荷台数とスマートウォッチ市場におけるシェア、そしてappleの企業買収や取得される特許などの動向からも間違いなくかなり強いコミットをApple Watchにされているのが伺えます。
Apple Watchの日本でのユーザー数はまだまだこれからという状態ではありますが。現在の世界のスマートウォッチ市場におけるアップルウォッチのシェアを見る限り今後更に伸びることが間違いないと予測されます。新しいビジネスチャンスと市場をいち早くキャッチするためにも動向には注目しておきたいところです。
睡眠トラッキングアプリの『Beddit』買収
参照:Beddit公式サイト
『Beddit』について
Bedditはセンサーを使い、睡眠時の睡眠時間、浅い眠りと深い眠り、心拍数、呼吸数、いびきなどの詳細なデータを元に連携しているアプリにその睡眠の点数(スコア)を教えてくれると言うサービスです。
今のところ、Beddit 3 Sleep Monitor ¥18,800 (税別)と専用のBedditアプリが必要のようです。
『Beddit』買収の意図
アップルの今回の買収の意図としては、Fitbit(フィットビット)、小米(シャオミ)に後塵を拝しないためというところだと思いますが。今回の買収により睡眠の質を分析・解析するノウハウと人材を確保し近い将来にはApple Watch単体に睡眠解析機能を実装することは間違いないと考えられます。
やはりスマートウォッチやウェアラブルデバイスを利用するユーザー層、そして見込みのユーザー層に対してヘルスケアに本腰を入れることで取り込みたい思惑と他社が既に獲得しているユーザー層を取り込みたいという2つの思惑が見えてきます。
Apple watchでも使える『Workflow』買収
既に半年ちかく時間が経過しますが、2015年度の「Apple Design Award」を受賞したiosの作業・タスク自動化アプリWorkflowをAppleが買収しました。この買収によってAppleはworkflowの開発チームとアプリを手に入れたわけですが。
この買収はapple・iosユーザーにとって将来的に大きな利便性、メリットをもたらすことになるのではと見込んでいます。
『Workflow』はどんなiosアプリ??
workflowは使いこなすまではこのアプリの便利さが分からないですが。使い倒すことにより本当に素晴らしいアプリだとじわじわと実感することが出来ます。
workflowは「アプリを繋ぎ合わせる」「自分専用のアプリを作成する」など様々な例えをされています。他のアプリやコンテンツを『Workflow』を介して使う事が出来るのでその通りではあるのですが。
個人的にはiphoneの機能やアプリをこのアプリ1つで操作できる『マルチなコントローラー』というイメージです。
『Workflow』に出来る事。
workflowが実際に出来ることは沢山あり、これらのタスクを実行させる機能をもたせることを”レシピ”と呼び以下の機能・アプリが現在”レシピ”として利用できます。
- Apps(対応しているアプリ)
- Calendar(カレンダー)
- Contacts(連絡先)
- Documents(ドキュメント)
- Finance(金融)
- Health(健康)
- Maps(地図)
- Music(音楽)
- Photos & Video(写真とビデオ)
- Scripting(スクリプト)
- Sharing(共有)
- Text(テキスト)
- Web(ウェブ)
帰り道をoneタップ
仕事やプライベートで自宅や事務所に戻る際に、毎回マップアプリを起動して住所や登録しているお気に入りのポイントを選択して…という操作をよくやりがちですが。workflowでレシピを作成すれば、oneタップで帰り道を案内してくれます。
勿論、AppleWatchにも対応していますのでiphoneを取り出してアプリを起動してなどのわずらわしさもありません。
スマホでの情報収集に!
電車・飛行機での移動時にスマホでの情報収集をする際に、ログを残したり資料としてメモ付きで記録したい場合などがあると思います。これらも全て”レシピ”として全自動でワンタッチで出来るようになります。
いちいち、メモアプリを起動してURLやサイトタイトルをコピーしてなんてことも必要ありません。
『Workflow』まとめ
appleのworkflow買収によりAppleはよりiosユーザーに向けてこのアプリを通して更なる利便性とユーザビリティを高めて行くことが想定されます。実際、workflowのレシピも他にもたくさんの応用方法があります。
女性でしたら、レシピアプリと連携させて晩御飯の情報収集を更に手早くワンタッチで済ませたりInstagramへの投稿工数を更に減らしていくことが出来ます。もちろん、音楽系の操作やSiriとの連携もばっちりです。
イスラエルの顔認識技術 RealFace を買収
まだ憶測でしかありませんが、iphone8のリリース時にはホームボタンが廃止されることからTouch IDセンサーや指紋認証は無くなることが想定されています。同時にそれに代わる機能として顔認証機能を持たせるのではと言われています。
このような噂の出どころとしてはイスラエルの顔認識技術スタートアップのRealFace社を約2億円で買収したことから現実味を帯びております。
RealFaceとは?
RealFaceは、2014年にイスラエル(テルアビブ)で創業された人工知能を活用した顔認識技術に強みを持っているスタートアップです。RealFaceの強みとしては、顔の特徴を学習することにより顔認識を高速化する人工知能・ソフトウェアを開発しているという点でまさしくこれからのApple・iosにとっては必要な機能であることは間違いありません。
ただAppleが顔認証により集めたAppleユーザーの顔認識データを人工知能によりコントロールすることが出来るというのもある意味で恐ろしくもあります。
RealFace買収によるAppleWatch
現状、AppleWatchはあの小さい液晶ディスプレイにパスワードを入力する必要があります。かなり打ちづらく、打ち間違いも多くユーザビリティが高いとは言い難い状況です。しかし全てのApple製品で顔認識機能が実装されれば、指紋認証もパスワードも必要がなくなり液晶画面に顔を向けるだけで済むようになります。
便利ですが、使うシーンによっては違和感がありますが。これはこれで解決策は考えられることと思います。
自宅で糖尿病治療・予防が出来る『Cor』買収
Bedditの買収もそうですが、アップルウォッチの更なるシェア拡大のためにappleはヘルスケア分野のスタートアップ買収やコンテンツにも非常に力を入れており糖尿病治療・予防に活躍するこちらの『Cor』も同じ思惑からの買収かと思われます。
アップルウォッチで血糖値が測れる??
『Cor』の買収と同時にappleは先手を打つようにとある特許をすでに取得済みでこの特許によりアップルウォッチのベルトに今回の血糖値を測るなどの新機能をアップデートする事が出来るようにするようです。
そして肝心の血糖値の測定方法ですが。糖尿病にとって重要な、酸素レベル・心拍数・血糖値などの重要なバイタルサインを光センサーにより血中からチェックするという仕組みのようです。
参照:AppleWatch(アップルウォッチ)を買ったら外せないマストアイテムになりました。。。
スマートウォッチ市場の伸びしろとヘルスケア
2016年のデータになりますが。Apple watchが49%とスマートウォッチ市場のシェアのおおよそ半分を獲得しており続いてFitbit17%、Samsung15%という数字です。現在のAppleの買収や特許取得などのヘルスケアへの注力具合とその動向から恐らく2位であるFitbitが持つユーザー層を自社ユーザーにしたいという思惑が見えてきます。
バッテリー内蔵の交換バンドを特許出願
AppleWatchに関する動向から今後の新しい機能やコンテンツを、交換できるバンドに実装させユーザーはこれを交換することで利用できるようにするという方向性で進んでいるようです。
参照:CHARGING APPARATUS FOR WEARABLE ELECTRONIC DEVICE
またこれによりアップルウォッチのバッテリー問題もある程度軽減されることが出来ると思われます。現状ではiphoneとは異なる充電器で尚且つ、毎日の充電が必要なアップルウォッチは旅行や出張時には使えなくなる可能性もあるためこの特許出願には色んな期待を持てます。
『Beddit』関連の快適な睡眠のための特許取得
Apple watchでも利用できる『Beddit』に関連しての特許取得だと思われます。
参照:「Adjusting alarms based on sleep onset latency(睡眠導入時間に基づくアラーム調整)」
取得された特許からユーザーの睡眠前の習慣とアラーム・時計を関連付けてより快適な睡眠を取れるようにするという仕組みのようです。睡眠が足りない場合には、スケジュールを確認したうえでアラームを調整するようです。
睡眠のスコアを取れる『Beddit』と連携することで更に具体的な快適睡眠につながる機能が実装されればApple watchの価値も更に高まる事は間違いなさそうです。
次世代Apple Watchのためのフレキシブルなガラス素材特許
アップルはこの特許を通して今後、Apple Watchのベルト部分にもどうやらディスプレイを設けるようです。またこの特許の内容から、携帯電話回線をつかった通信が可能とされておりLTE通信機能搭載Apple Watchの実現に向けた動きが既にあることが想定されます。
つまり将来的にはiphone無しでも、アプリや通信が必要な操作も実現できるということになりそうです。
まとめ
Apple Watchに対して非常に悲観的な意見、見解の多かった2016年ですが。今後の2020年に向けて確実にAppleはスマートウォッチに対して注力しこれらの市場のシェア拡大とユーザー層を広げていく動きが見て取れます。
我々事業者としてもこれらのマーケットの動きを作る、巨大企業であるAppleの動向に注目し今後の次世代のトレンドや動きに対して先手を打ちサービスやコンテンツを創造していく必要性があります。
今回ご紹介した企業の買収や特許出願、取得以外にも間違いなくApple Watchへのシフトする動きが見えてきたことは間違いありません。まだ噂レベルではありますが。コンテンツ方面では、ディズニー、Netflix、Hulu。電気自動車のTeslaなども買収するのではと言われておりますます今後の動向が注目されるところです。