自社のマーケティングの一環にInstagram(インスタグラム)を活用したいと考えているけど、ファッション分野でもない自社の商品には適しているように思えないと諦めている人はいるのではないだろうか。
たしかにInstagramは写真を中心としたビジュアルのソーシャルメディアという特性からファッションブランドとの相性は良いだろう。
しかし、Instagramに投稿するコンテンツを工夫することによってファッション以外の分野の商品であってもInstagram上で多くのフォロワーを獲得し、売上を伸ばすことができる。
今回は、実例を紹介しつつ、意識すべきそのポイントを見てみよう。
スパイスを販売するブランドFlavor God
そのような例としてご紹介したいのが今回ご紹介するFlavor Godだ。
Flavor GodはシェフのChris Wallace氏よって創業されたスパイスを販売している米国の会社で2012年に設立された。Instagramでは220万人以上からフォローされているという圧倒的なフォロワー数を誇る。
Flavor Godのスパイスの値段は1つ10.99ドル(約1,300円)ほどとなっている。
果たして、このスパイスを売る新興ブランドであるFlavor GodはInstagram(インスタグラム)をどのように活用して成功したのか見てみよう。
レシピというコンテンツを充実させた
Flavor GodはInstagram上に料理の写真と共に数多くのレシピを投稿しフォロワーにとってフォローするに値するコンテンツを充実させている。たとえば上記の写真はビビンバのレシピをのせた投稿だ。
投稿ではビビンバを作るのにはどのような材料がいるのか、どのような手順で作るのかを掲載している。
また、もちろん材料にFlavor Godのスパイスも含まれているというのはいうまでもない。
このようにしてフォロワーがフォローしたくなるようなコンテンツを充実させると同時に自社商品の販促にもつなげているのだ。
写真のみならずショートビデオも活用した
またFlavor Godが面白いのは写真のみならず15秒ほどのショートビデオも活用しているということだ。
15秒の動画でレシピの料理を作っているショートビデオ。たとえばハンバーガーを作る様子を撮影したビデオなどを投稿している。
顧客発信のコンテンツを採用した
Flavor Godの強みは、自社で用意したレシピだけでなく顧客発信のコンテン(レシピ)にもある。
Flavor Godがスパイスの販売を始めた当初から顧客から#Flavor Godというタグ付けて顧客自身の料理の写真が投稿されてきたという。
Flavor Godはその顧客の投稿の中から良いと思ったレシピがあれば自社のアカウントで紹介することを行っていた。
フードブロガーなどのインフルエンサーとのコラボレートした
またFlavor Godはフードブロガーをはじめとする影響力のあるインフルエンサーとのコラボレートも欠かさず行っている。フードブロガーには自社の商品を使用している投稿をしてもらう。たとえば@thefeistykitchenというアカウントを運営しているNatasha氏にフライドポテトやハンバーガーとともにFlavor Godを並べている写真を投稿してもらっている。
また同様にNatasha氏をFlavor Godの投稿においても紹介し返すというようにインフルエンサーとのコラボレートを熱心に行ってきている。
顧客、インフルエンサーを巻き込んだコミュニティーを築く
2012年度に設立された際には知名度0の状態だったFlavor God。今では220万人もフォロワーを持つスパイス業界においてはその名が知れ渡る企業になった。
このFlavor GodがInstagramを育てあげることに成功したポイントは、顧客やフードブロガーをはじめとするインフルエンサーを巻き込んだコミュニティーを築き上げたところだろう。
顧客は、Flavor GodのアカウントでFlavor Godのスパイスを使った料理を知ることが出来る。
また、#Flavor Godとハッシュタグをつけてレシピを投稿する。
すると、良いレシピであればFlavor Godにそのレシピを取り上げてもらうことができ自尊心を満たされるだろう。
さらに、フードブロガーなどのインフルエンサーはお互いにお互いを紹介しあうことで知名度を上げることができWin-Winな関係を構築できている。
このように、関係者がメリットを得られるコミュニティーを築き上げた点がFlavor GodのInstagramの成長、ひいてはビジネスの成長につながっているのだろう。
Instagramの運用方法で、ビジネス面でのマーケティングにも大きな影響があることを実証する好例である。