広告といえば、規模が小さかったり資金力のない企業にとっては遠い存在でした。あるいは広告代理店に任せるしかなく、管理費用だけで少なくない金額を拠出しているケースも多いと思います。
そんな状況を一変させているのがFacebook広告です。Facebook広告は、広告出稿のハードルを下げるいくつかのメリットがあります。
Facebook 広告活用のメリット
まずは、Facebook 広告のメリットを取り上げてみます。
- Facebookアカウントがあれば、広告出稿まで少ないプロセスでOK
- 細かいターゲティングが簡単に可能
- 相対的低予算で実施できる
- 広告の大きな目的の設定が簡単
- 広告を出稿できる場所を選択できる
- 画像も動画も出稿可能
- Instagram広告と連携できる
どうでしょうか? 少しでもブランドの露出を高めたいと考えたらFacebook広告の活用を検討しない理由はないですね。
Instagram広告との連携は最近になって実装されてますが、Facebook広告は日々進化していますので、積極的に利用する価値があります。
Facebook広告の出稿の手順
それでは、具体的にどのように出稿をしていくのか見ていきましょう。
広告キャンペーンと広告セット
まずは基本的な言葉の確認です。Facebookの広告では、「広告キャンペーン」というくくりと「広告セット」という言葉があります。「広告セット」は「広告キャンペーン」の中に作ります。
特定のテーマについての広告を出す時にまずは「広告キャンペーン」の名前を決めます。例えば、自社のウェッブサイトへの誘導を強化する広告であれば「自社サイト誘導」などのわかりやすい名前を付けましょう。
そしてそのキャンペーンの中にいくつもの種類の広告をセットできます。それが「広告セット」です。例えば、ドレスの写真などを使って広告を打つ場合には「ドレスプロモーション」とつけたり、20歳から30歳までに年齢を絞る場合には、「ドレス 20-30」など内容とターゲットがわかるような「広告セット」名をつけることを考えてください。
Facebook広告の目的
実際の出稿の手続きのはじめの一歩は、Facebookのいつものアカウントでログインすることです。右上の▼をクリックするとメニューが出るので、その中の「広告を掲載」をクリックします。
最初に「キャンペーンの目的を選択してください」という目的を設定する画面がでます。現時点(2015年12月)で、10種類の目的がリストになっています。わかりやすい分類になっているのであまり迷うことはないと思います。
「Facebookページを宣伝」と「投稿を宣伝」の違いは、前者はFacebookページ全体を宣伝し、「いいね!」、つまりファンを増やすことが目的であり、後者はタイムラインに投稿されているその投稿そのものを宣伝として利用して投稿にたいして「いいね!」をもらったりシェアをしてもらうことが目的になります。
「ウェブサイトへのアクセスを増やす」と「ウェッブサイトでのコンバージョンを増やす」の違いは、どちらもウェブサイトへの誘導強化のための施策になりますが、後者は、サイト内にコンバージョンタグを埋めておくことで、広告をクリックしたユーザーが最終的にアクションを起こした数を把握し、いわゆる転換率(コンバージョン率)を取得することで、広告の効果を明確にするために利用します。
もっと具体的には、ネットショップでの購入まで至った比率などを把握するために利用します。あとは余り迷うことのないメニューです。ただし、「アプリのインストールを増やす」とか「イベントの参加者を増やす」などの場合は、アプリが存在していりイベントの登録が出来るようになっていないとエラーになりますので気を付けてください。
目的を選択すると、最初に「広告キャンペーン名」を入力するボックスがあります。Facebookが自動的に名前を入れているのですが、確認して自分でわかりやすいものにしておくといいでしょう。
ターゲット設定
目的を選択すると次に非常に重要なターゲット設定です。ここではいくつもの設定が可能ですから、いろいろと考えてください。
- 場所
まずは場所です。日本全国であれば、日本が選択されていれば問題ありません。飲食店やブランドショップへの誘導を考えている場合は、あまり遠くの人に宣伝をしても効果は出ないと思います。その場合は地域を絞ります。例えば「横浜市」や「大田区」というレベルでキーワードを入れると候補が出ますので、それで選択してください。候補が出ないところは選択出来ません。また、おもしろい機能として、地図上にピンを置いてそこから半径を指定するという方法もあります。下の画面ショットを参考にしてください。 - 年齢、性別、言語
次に、ターゲットの年齢や性別を特定します。女性向けプランドショップへの誘導であれば、基本的には女性のみをターゲットにすべきでしょう。言語は多くの場合は日本語になるでしょうが、日本に住んでいる外国人をターゲットに含む場合はあえて選択しなくてもいいかも知れません。 - 利用者層、趣味・関心、行動
Facebookでは、さらに具体的なターゲット設定が可能です。これは、ユーザーがFacebookに保存している情報や閲覧履歴からカテゴリーに分けられています。それぞれドロップダウンで選択出来るリストで確認することが出来ます。実にさまざまな選択肢が出てきますので、時間をかけてじっくりと選んでください。また、このリストはどんどん発展していくので、時々きちんと確認をするといいと思います。画面ショットを見てもわかるように、ドロップダウンで選択可能です。また、キーワードを入れて、それが既にFacebook側で登録されているカテゴリーであれば候補がリストに出ますのでそこから選択出来ます。もし登録されていなければ、候補が出ませんので別のキーワードで試してください。画面ショットは「ファッション」というキーワードを入れてみた時の状況です。この項目はいくつも選択が可能なので、必要に応じて追加して行きましょう。例えば、健康サプリを訴求したいならば、「健康づくり」、「健康食品」、「健康増進」などさまざまな候補群が考えられます。どれを選択していいかわからない場合の対処法についてはこのテーマの次の回「誰でも分かるやさしいFacebook広告の出稿の流れと成功の秘訣(2)~ターゲティング活用とクリエイティブ編」でお伝えしますので参考にしてください。
- つながり
この項目は、ページやアプリ、イベントなどで過去につながりのある人、ない人などを特定するための項目です。過去のイベントに参加しているロイヤルカスタマー向けであれば、つながりが大切ですし、まだつながりのない潜在顧客を見つけたいのであれば、過去につながりのない人が大切になるでしょう。 - 広告予算
予算もさまざまに設定可能です。もちろん予算を沢山かければそれだけリーチ数が広がります。小さいターゲットに沢山の予算をかけることは無駄が発生します。最初は比較的小さい金額から始めて、パフォーマンスを見ながら増やしていくのがいいでしょう。
予算設定の方法として、一日の予算をきめる方法と、広告出稿期間全体の予算をきめる方法があります。広告を出す期間が決まっていれば、後者も一つの選択肢です。イベントの告知などの場合は明確に広告を止める日が決まっていると思うので、トータルでの予算を決めて出稿するのもいいと思います。ウェッブサイトへの誘導などの場合は、終了日を明確に決められないケースです。その場合は、「掲載期間」の設定で、「継続的に掲載する」に設定して、一日の予算を決めるのが適切です。
また、掲載期間を決めてトータルの予算を設定した場合のみ、広告の出稿する時間を設定することが可能です。真夜中に広告を出したくない、というような場合にはこの方法を選ぶといいでしょう。こうした時間指定は必ずパフォーマンスを良くするわけではないので、利用する場合には、パフォーマンスを見ながら調整をしてください。
予算や広告出稿についてはいつでも変更可能なので、今ある予算を慎重に使い始めれば問題はありません。大切なことは、出稿して出しっ放しにせずに、もし広告の効果があまり出ていないと判断した時には、すぐに修正することです。
まとめ:大切なターゲティング
ターゲティングをきちんと設定することは、Facebook広告に限らずとても大切なポイントです。自社のターゲット顧客増を明確にしてそれをFacebook広告に反映させましょう。
ただ、必ずしもいつもターゲットを明確に設定できるとは限りません。その場合にこのターゲティングをどのように利用することができるのかという秘訣を「(2)ターゲティング活用とクリエイティブ編」で説明しますので、是非お読みください。