最近生まれて初めて炭酸水を飲んで、味なしの炭酸水なんて一生飲まないと心に決めたみっしぇるです。こんにちは!のどがじゅわじゅわしてただ痛いだけで、なにもいい思い出になりませんでした…
そんな炭酸水だけでなく、何を購入する際にも人はまず考えます。
この商品を買って自分にメリットはあるのか?
そもそもこれによって自分の目的は達成されるのか?
この商品の値段はどうだ?
この他にも、無意識に色んな事を考えて品定めをしているはずです。
私は今回、炭酸水は健康にいいと聞き購入に至ったわけですが、健康よりも辛さの方が買ってしまったのでリピーターにはなれませんでした。
こういった消費者側の思考というものは、ECサイトを運営している人にとっては、ずっと頭に置いておかなければいけない重要なものですもあります。
いくら良質な商品を用意し、接客対応も改善を重ね、自分の思う使いやすいサイトを立ち上げることができても、「ある目的」を胸に訪れた消費者が共感できなければ離脱してしまいます。
自慢の対応の良さや商品を披露することもなく終わってしまいますよね。
では、消費者に選んでもらえるECサイトとはどういったものなのでしょうか?
それを解き明かすためには、まず「男性と女性の購買パターン」というものを理解しておかなければなりません。
男女でECサイトの見方が違う?
脳科学的に男性と女性の認識的違いは生まれつき異なっていると言われるくらいですから、性格や趣味が男女で違うように、購買パターンやサイトの見方も当然違ってきます。
男女の兄弟がいる家庭をお持ちの方はよく見る光景だと思います。
例えば女の子は小さい頃におままごとやお人形で遊びますよね。コミュニケーションを重視し、社会性のある遊びだといえます。それに対して男の子は、ロボットや乗り物・LEGOなどに興味を示し、空想的な遊び方をします。
女性が現実的で男性はロマンを求める、というのも、こういう趣味思考を見るとうなずけますね。
さらに、男女の違いについて早稲田大学の森川友義教授はこうおっしゃっています。
我々の遺伝子の進化は非常に遅く、狩猟採集時代の遺伝子を引きずっています。農耕社会から産業社会になるまでの期間が大変短かったため、遺伝子が追いついていないのです。狩猟採集時代においては、男性は、狩猟している最中に会話をしていたら獲物が逃げてしまうので、必要最低限の目的のある会話しかしなくなり、その結果、「目的を解決するための解決脳」になっています。一方の女性は、いつ獲物に襲われるか分からないので、声をだすことで互いの存在を確認しなくてはいけませんでした。そのため、目的がなくても会話をする必要があり、女性の脳は、声を出して共感し合う「共感脳」というものに進化しました。
ロマンを求めつつも、目的意識が高く、物事を体系的に考えることを得意とする男性と、現実的でコミュニケーションを通じて共感し合うことで相手の表情やニュアンスを読み取ることを得意とする女性。
ここまででこれらの特徴は理解できました。
ではこれらを踏まえて、ECサイトを作るにはどう参考にすべきなのでしょうか?
実際にECサイトを利用した際の分析結果
CNET JAPANさんでは、「アイトラッキング分析」という方法で、実際に男女の違いを調査されています。
内容としては、男女の被験者に実際にECサイト(ここでは楽天)を使用してバレンタイン・ホワイトデーのための買い物をしてもらい、サイトのどこをクリックし何を見て、最終的にどういった理由で商品を選んだのかを見ていくといったものです。
参考元:ECサイトの画面設計–男と女、買い物の行動パターンはどう違う?
上記の画像は、調査の中で男性がクリックした箇所を画像化したものです。
この実験から、男女のECサイトの使い方の違いというものがハッキリ現れました。
女性は商品の細かい情報とイメージやコンセプトを重視
まず女性は、サイトのカテゴリや特集バナーから商品探しを始めました。
バレンタインなので漠然と「チョコレート」を探しに来たのではなく、「上品なチョコレート」や「有名店の洋菓子」などある程度こだわりを持っている女性は、特集などの「デザインチョコ」や「話題のショコラ」などの文言を見て、自分の求める商品があるかもしれないと感じるのでしょう。
更に女性は男性に比べて、かなり長い時間サイトに滞在し、クリック数も多く、様々なページを見ています。バナーなどにも目がいくためということがありますが、自分が買おうとしている商品を「もっとよく知ろう」としているのが伺えます。
サイト訪問後話を聞いてみると、パッケージやデザインなどの細かいところを見て品定めしている傾向にもありました。
見た目がかわいいから~と決めてしまうのかと思いきや、商品の見た目だけでなく細かい部分まで見ていることから、商品詳細ページの重要性がどんなものかわかりますね。
以上のことから、女性は目的をより深くしようとサイトに訪れることがわかります。
よって、女性の求めるようなECサイトというのはこのようになります。
- 画像は良質なだけではなく、パッケージや商品の細部までわかるようなものを
- コンセプトやイメージが伝わりやすいような文言を使用して打ち出すこと
- ブラウジングが楽しめるような幅広いコンテンツを配置すること
執筆者の私自身女なので、この結果をみて深くうなずけます。
見た目重視ではありますが、そういわれれば商品の細かい部分が気になって、気に入ったものがあってもひとまず他のものを見て比べながら選んでいるような気がします。
そして散々いろんな商品・サイトを見てひと段落したころには、かなりの時間が経過しているということはよくあります。
男性はデータ情報と目的達成を重視
バナーなどを見る女性に対し、被験者の男性はすぐに検索することを選びました。
なかには「バナーはあえて押さない」という人も。
更には、ランキングや売れた個数などの情報を見て情報収集を行う人や「ランキングの商品はあえて避ける」と答えた人もいたそうです。
なんだそれは?と一瞬思いますが、この言動は「データ情報」を参考に商品を選ぼうとしていることがわかります。
ランキングを利用した方は人気だという情報をもとに、自分の目的を達成しようとしています。
ランキングやバナーを使用しないことを選択した方は、それらに載っている商品は●●だからと自分なりの分析で他の物を選び目的を達成しようとしています。
両者とも、データ情報に左右されていることには変わりありません。
また次に見られたのが「金額フィルター」と「セット・詰め合わせで絞込」です。
ある予算の中で合理的なものを買おうとしていることがわかりますね。
イメージ重視で商品を選ぶ女性に対して、また異なった行動となりました
以上の事から、男性は目的の情報を得るためにサイトを訪れることがわかります。
男性がECサイトに求めるものはこのようになります。
- 検索機能はもちろん、絞込やフィルター機能があれば尚良し
- ランキングや売り上げ情報などのデータを配置すること
- セット売りやギフトセットなど合理的に感じる文言で打ち出すこと
女性とは全く違う結果になりましたね!
得た知識をECサイトに応用する
ここまでで男女の違い、そしてサイトを見る際の思考や傾向がわかったと思います。
こんなに違うんだったら、サイトを男性用と女性用にわけなければいけないのではないか?と思われる方もいらっしゃると思いますが、決してそういう訳ではありません。
実際、今回実験で使用された楽天市場は男女両方に重宝されているサイトです。
また、自分のサイトの訪問者の男女比を分析し、その比率に合わせたサイト作りをするのも手だと思います。
では得た知識を実際に自身のECサイトに応用するにはどうしたらいいのか?
女性の場合
例えば、女性の場合、商品の細部までこだわって見ることから、商品詳細ページはしっかり作りこまなければなりません。
商品の写真は何パターンも用意し、手に取らなくても想像できるようにしておくことです。
サイズや色などの細かい情報も必要です。
特集を組むのなら、ただ派手なバナーではなく、どんな特集か・どう自分にとって利益があるのかがわかるような文言をそえて打ち出しましょう。そしてコンテンツ内容は限定せず幅広く、たくさん用意しましょう。関連商品の設置も、女性にはとても効果的でしょう。
男性の場合
次に男性の場合ですが、共感出来たらクリックしたいと感じてくれる女性に対して、自分の目的に合致していなければ見ようとしない男性はバナーの設置箇所や打ち出し方に気を付けるべきです。
目的の商品がそこにあると思わせるようなキャッチコピーで興味をもってもらいましょう。
男性はサイトを一つの「ツール」だと認識している傾向にあるので、いかにそのツールが目的達成のために役立つのかが重要です。
なのでランキングなどの確かなデータ情報を与えて、目的達成のための情報提供をしましょう。
まとめ
男女の違いを今回はお話ししましたが、いかがでしたでしょうか?
実際の実験結果や脳科学的情報からみても、男女の違いはあきらかです。
思考が違えば言動も違い、女の(男の)気持ちなんかわからん!という人もいますが、ここまで違えばそれもしょうがないことのように思えますね!
気持ちの理解はできなくても、今回お話した知識を利用して自身のサイトに活用することは、今後の集客・売上アップに確実につながってくるのではないかと思います。
最近よく言っているような気がしますが、まずは「消費者の立場に立つこと」です。
男女について知るのも、消費者を理解することなので、しっかり知識を得て今度に役立てて頂ければと思います。
では今日はこのへんで。
みっしぇるでした!