クリスマスが近づいてきている。
企業のマーケティング戦略を担っているマーケティング担当者の人のなかには、クリスマスを目前に消費者の消費活動が活発になることに合わせて、自社のブランディング、自社商品の販売促進のためにクリスマスキャンペーンを企画してみたいという方もいるだろう。
しかし、どのようなキャンペーンを企画しようか頭を悩ませていたり、大企業ならともかく、中小企業が大掛かりなキャンペーンを実行するのは難しいと考えておられる方もいるかもしれない。
そこで今回は、そんな方が参考にできるクリスマスキャンペーンについて具体的な事例を交えてご説明しようと思う。これらのクリスマスキャンペーンは、ソーシャルメディアのInstagram(インスタグラム)を活用して低予算で実施されており、一般的な中小企業でも参考にできる点は多いはずだ。
Instagramのハッシュタグを活用したフォトコンテスト
出展:#濃いシチューフォト
今回事例として取り上げるのは、カレーやシチューのルーを販売しているエスビー食品が、クリスマス期間限定で打ち出したInstagram上で展開するキャンペーン「濃いシチュー Presents Instagramキャンペーン」だ。このキャンペーンの趣旨は、エスビー食品が売り出している「濃いシチュー」をより消費者に馴染みのあるものにすることだ。
キャンペーンへの参加手順
1.キャンペーンサイトで名前とメールアドレスを入力する。
2.クリスマスをテーマとして、パンとシチューで盛り付けした料理の写真を撮影する。
3.撮影した写真を2015年12月1日から2016年1月7日までの間に「#濃いシチューフォト」とタグ付けした写真をInstagramに投稿する。
4.投稿した人の中から1名にバルミューダ社のトースター、30名に濃いシチューシリーズ3点セットがプレゼントされる。
キャンペーンを盛り上げるためにインフルエンサーからの協力を得る
このキャンペーンにおいては、一般の消費者からの投稿の他に、料理業界で有名な料理研究家のMasaki Higuchi氏の投稿もあり影響力のあるインフルエンサーを活用したインフルエンサー・マーケティングを実施していることも伺われる。
Higuchi氏の投稿には5995ものいいね!(2015/12/14時点)がついている。
出展:#濃いシチューフォト
キャンペーンに数多くの消費者を巻き込んでいくためにはこのような影響力のあるインフルエンサーを活用したインフルエンサー・マーケティングを織り込んでいくのも1つの手だろう。
ただ単にキャンペーンを実施しただけでは、盛り上がりに欠けて消費者がキャンペーンに参加してくれないという可能性もある。そこで、このようなインフルエンサーにキャンペーンを盛り上げてもらうなどしてキャンペーンがより盛り上がるように下地を作るのも大事なことだ。
まとめ
このエスビー食品のキャンペーンでは消費者自身が撮影したシチューの写真をハッシュタグ#濃いシチューフォトでタグ付けしてもらい消費者発のコンテンツを集め、エスビー食品の「濃いシチュー」という商品のブランディング、認知度の向上にもつなげている。このような消費者を巻き込んでキャンペーンを展開することが可能なのがInstagramを活用したキャンペーンの良い所だろう。
また、このキャンペーンの予算に関してだが、プレゼントがトースター1台、商品の詰め合わせを30名に送るというもの。
このキャンペーンにかかっている予算はそこまで高くないはずだ。
今回ご紹介したキャンペーンとは少し形式は異なるが、単にハッシュタグで写真を募る形式ではなく、シチューのレシピを募ってその中から優秀なレシピにプレゼントを与えるコンテスト形式のキャンペーンを行うのも良いだろう。少し敷居は高くなってしまうが、フォロワーにとって価値のあるコンテンツとしてレシピを集めることができるからだ。
このクリスマスキャンペーンは期間限定であるものの、期間後でも自社Instagramアカウントにとって良質なコンテンツを集めることができる企画でもある。低予算で実施することも可能なので、マーケティングの1つとして大いに参考になる事例だろう。