https://www.instagram.com/birchbox/
Birch Boxは2010年9月に米国において設立された化粧品サンプルの詰め合わせを毎月10ドル(約1200円)で送付してくれるサブスクリプションサービスだ。
2014年4月には80万人以上のサブスクリプションサービスの利用者を擁するようになっておりこれだけで年間約9600万ドル(約115億円)の売上をあげている計算になりさらに個別商品の売上も含めるとかなりの成功を収めているECサイトと言える。
このBirch Boxがこれだけ成功できた理由にはそのビジネスモデルもさることながら認知度を高めるためのInstagram(インスタグラム)の活用にも要因があると言えそうだ。
このBirch BoxのInstagram(インスタグラム)アカウントは現在41万人以上のフォロワーを持っている。この自社のアカウントを使ったインスタグラムの活用ももちろんのこと、Birch Boxは著名人をBirch Boxの広告塔として活用するインフルエンサー・マーケティングをInstagram(インスタグラム)上で実施することで認知度を上げてきた。
それではこのBirch BoxがどのようにしてInstagram(インスタグラム)を活用しているのか見てみよう。
ハッシュタグを使ってマニュキア曜日というのを作った
https://www.instagram.com/explore/tags/manimonday/
Instagramを利用する上でハッシュタグを利用するのは非常に重要なことだ。しかし、Birch Boxがユニークなのは既存のハッシュタグを利用するだけではなくて、自分たちでハッシュタグ#manimondayを作りマニュキアをする月曜という流行を作りあげることにしたのだった。
Birch Boxは自社ブランドを持っていないサブスクリプションサービスであり他社と競合するというよりは、化粧品業界が盛り上げることを目指してこのようなハッシュタグを作った。これは、もちろん自社の認知度を上げること、ブランディングにもつながってくる。
このようにハッシュタグを自分たちで作り上げて、それをある種の流行にするという試みはBirch Boxのユニークなところだろう。
インフルエンサー・マーケティングを実施
https://www.instagram.com/emilyschuman/
ライフスタイルについてブログ「cup cakes and cashmere」を運営するブロガーのEmily Schuman(シューマン)氏とパートナーシップを結んだ。
その内容とは32万人以上のフォロワーを持つシューマン氏のインスタグラムアカウントにおいてシューマン氏自身がサブスクリプションサービスの詰め合わせのセレクションを行い、それをシューマン氏のインスタグラムアカウントにおいて投稿したというものだ。
投稿は計5枚からなっており、合計18000Likeを得て大きな反響をもらった。このパートナーシップはただ単にブロガーに宣伝を手伝ったという点が特徴的ではなく、ブロガーにBirch Boxの詰め合わせのセレクションまでも手伝ってもらっており宣伝、ブランディングの観点から見てかなり有効な方法をとった点が特徴的な点だと言えるだろう。このBirch Boxのように実際にパートナーシップを結び、その人に自社ブランドの運営に参加してもらうという手法は自社のInstagram(インスタグラム)アカウントの運営を盛り上げていく1つの参考にできる手法だろう。
著名人にアカウント運営を代行してもらう「Take Over」
https://www.socialmediaexaminer.com/5-brands-on-instagram-that-succeed-with-influencer-marketing/
上記のシューマン氏のようなブロガーとの提携のほかにBirch Boxがたびたび行っているInstagram(インスタグラム)の運営手法が、「Take Over(和訳すると引き継ぐという意味)」だ。
例として実際に「Take Over」がどんなものかご紹介しよう。Christina Zilber(ジルバー)氏というJouerという化粧品を販売しているサイトの創業者にBirch Boxはそのアカウントを母の日限定で使用してもらった。
ジルバー氏がBirch Boxの投稿に自分が使っている化粧品や日常生活の写真を投稿したのだ。Instagram(インスタグラム)はともするとありきたりな投稿ばかりになってしまいがちだが、このTake Overを実施することでイベントのような特別感を出して投稿を見ている既存顧客、潜在顧客などの読者をエンゲージすることができる。
これもさして難しいものではなくすぐに実践できるものだろう。例に出したのは化粧品業界で有名な人に祝日などの日を限定してアカウントを渡して代わりに投稿してもらうというものだが、他業界でも同じように影響力のある人に日を限定してアカウントを渡して投稿してもらうという試みも面白いのではないだろうか。
無料プレゼントを配る「Give Away」
前述のジルバー氏は普段使っている化粧品を投稿した他に「Give Away(和訳すると無料プレゼント)」キャンペーンを行った。このGive Awayでは有益な美容情報をBirch Boxの投稿にコメントした人からとりわけ有益な情報だったと認定した投稿に対して無料で化粧品の詰め合わせのプレゼントが提供されるというものだ。1135人からのコメントがあり非常に盛り上がったキャンペーンだった。
このGive Awayキャンペーンを行うことで既存顧客にとってはエンゲージを図り、潜在顧客にとってはBirch Boxという商品に対して興味を持ってもらうことができるのだ。
Instagram(インスタグラム)を活用したキャンペーンは取り組みやすい
今回の記事をまとめると、ハッシュタグを使って自社オリジナルのイベントを作ること、業界の影響力ある人インフルエンサーとパートナーシップを結んで通常とはひと味違う投稿になるように工夫してみることの2つになる。
ご紹介したようにInstagram(インスタグラム)を活用したキャンペーンの数々は予算、企画の難易度もそこまで高くなく取り組みやすいものだといえるだろう。